2019.8.31-9.1
国際カンファレンス"History for Democracy in the Age of Populism"
  • 場 所
  • 関西学院大学上ヶ原キャンパス関西学院会館
  • 主 催
  • Korean-Japanese Forum of Western History
    Interdisciplinary Research Project on the Function of National Histories and Collective Memories for the Democracy in the Globalized Society
    (NHCM/グローバル歴史・記憶研究プロジェクト)
  • 司 会
  • Hiroshi Fukuda(Seijo University, Japan)
    Hiromi Komori (Waseda University, Japan)
    Takahiko Hasegawa (Hokkaido University, Japan)
  • 報 告
  • ▼Keynote speech
    ● Stefan Berger (Ruhr University Bochum, Germany)
    ---Engaging Populisms: Which Historical Memory for What Kind of Democracy?
    ● Eve Rosenhaft (University of Liverpool, UK/ Sogang University, South Korea)
    ---Beyond Multidirectional Memory: Tracing the Holocaust in the African Diaspora
    ● Jie-Hyun Lim (Sogang University, South Korea)
    ---Remembering Mass Dictatorship in the Post-fascist Era: Fascism, Populism, and Democracy

    ▼Session I Politics of Identity, Belonging and Exclusion in the Age of Populism
    ● Takumi Itabashi (Seikei University, Japan)
    ---- Populism and –or versus- Democracy: The Experience of Modern German History
    ● Eva-Clarita Pettai (University of Jena, Germany)
    ---- Retrospective Justice and Identity Politics in Central and Eastern Europe
    ● Jung Han Kim (Sogang University, South Korea)
    ---- Is Populism the exit of a Democratic Crisis ? : Debates on Left Populism in Korea

    ▼Session II Revised Histories and Memories under Democratization and Transitional Justice, and their Outcome
    ● Eugenia Gay (National University of Cordoba, Argentina)
    ---- To Rebuild a Nation. Historiographical Itineraries after a Disruption of the Social Bond
    ● Lap Yan Kung (Chinese University of Hong Kong, Hong Kong)
    --- The Tiananmen Square Incidents and Ethics of Memory: A Ritual Interpretation
    ●Myeon Jeong (Sogang University, South Korea)
    ---- Remembering Zhuge Liang’s (諸葛亮) Southern Campaign in the Political-Social Context of Contemporary China

    ▼Session III "De-nationalization" of History or Accommodation of National Histories?
    ● Berber Bevernage (Ghent University, Belgium)
    --- Doing History for Reconciliation? Some Theoretical Reflections on the Uses of Historiography for Reconciliation and Peace Building after Violent Conflict
    ● Naoki Inoue (Kyoto Prefectural University, Japan)
    ----- History of Koguryo (高句麗) and the ‘National History’: Scramble between Korea and China
    ● Neeladri Bhattacharya (Jawaharlal Nehru University, India)
    ----- When was Post-National? History Writing in the Era of Populism
  • 討議者
  • Ariyoshi Ogawa (Rikkyo University, Japan)
    Nobuya Hashimoto (Kwansei Gakuin University, Japan)
    Kumie Inose (Konan University, Japan)

2019.06.29
NHCM・ハンネス・オーベルマイア博士セミナー『歴史遺産と記念碑をめぐる論争と語り直しー南ティロル・台湾・クロアチアの現代史からー』

2019年06月29日、NHCM・ハンネス・オーベルマイア博士セミナー『歴史遺産と記念碑をめぐる論争と語り直しー南ティロル・台湾・クロアチアの現代史からー』を開催いたしました。セミナーの内容は以下の通りです。

  • 場 所
  • 甲南大学岡本キャンパス3号館3-21教室
  • 主 催
  • 「グローバル社会におけるデモクラシーと国民史・集合的記憶の機能に関する学際的研究」プロジェクト
  • 日 時
  • 2019年6月29日(土)午前10時30分〜午後5時
  • 講 演
  • Hannes Obermair(南ティロルミュージアムズ学術研究員)
    ----Transforming a Controversial Heritage: South Tyrol's Fascist Monuments Revisited Resemantisized
  • 報 告
  • 松田ヒロ子(神戸学院大学)
    ----Whose Home?Cultural Pluralism and Preservation of Japanese Colonial Heritage in Taipei City
    門間卓也(日本学術振興会特別研究員PD/関西学院大学)
    ----Nationalism and the Ustasha Movement: Factors for the Rise of Historical Revisionism in Croatia

 2019年月29日(土)、ハンネス・オーベルマイア博士を招聘したセミナー「歴史遺産と記念碑をめぐる論争と語り直し―南ティロル・台湾・クロアチアの現代史から―」が開催された。南ティロル中世史研究者であるオーベルマイア氏は、古文書館での史料保存や博物館キュレーターとしての活動を通じて、歴史的遺産の現代社会での保存と活用に精力的に取り組んでいる人物でもある。近代にはオーストリア領であった南ティロルは、第一次世界大戦後にイタリア王国に併合され、その後ファシスト政権によるイタリア化政策が行われた後にナチス・ドイツによる占領を受けた。この二重の専制支配による複雑な歴史的経験のために、戦後には、ファシスト政権下でファシズム・イデオロギーの浸透と都市ボルツァーノ/ボーツェンのイタリア化という政策意図をもって建造された記念碑の扱いを巡って激しい議論が行われてきた。このような、記憶をめぐる政治的熱の集中する南ティロル/アルト・アディジェで歴史的遺産に向かう者には何ができるのか、そしてその市民社会との関わりにはどのような可能性があるのか。今回のセミナーは、このような議論をイタリアを超えた比較考察に結び付け、より広い展望と課題、そして可能性を考察する場を目指したものであった。

 セミナーではまず最初にオーベルマイア氏の報告が行われた。報告では氏が2016年にThe European Museums of the Year Award も受賞した、ファシスト政権が建造した「勝利の記念碑」を歴史的文脈に置き直し、市民に開かれた議論と再考察を行うパブリック=ヒストリーの場として新たな意義付けを行った事例や、ファシスト政権のイデオロギーを強調したレリーフにハンナ・アーレントの言葉をイルミネーションとして重ねて投影し批判的なバランスを与えた事例などを紹介し、複雑な記憶と向き合う博物館実践の可能性が議論された。このような場では、ファシスト政権がが当初の意図として目指したものは正反対に、これらの建造物は、開かれた議論と批判的再考察の場、即ち民主主義の拠点として新たな意義を獲得するということが示された。

 次いで、比較対象として東アジア(台湾)と東ヨーロッパ(クロアチア)からの事例に基づく研究報告が行われた。東アジアからは松田ヒロコ氏が ‘Whose Home? Cultural Pluralism and Preservation of Japanese Colonial Heritage in Taipei City’と題して台湾における日本統治期の建築物の文化遺産としての保存について、次いで門間卓也氏が ‘Nationalism and the Ustasha Movement: Factors for the Rise of Historical Revisionism in Croatia’で、現代クロアチアの歴史修正主義について報告した。

 松田氏の報告は、代表的な日本式木造建築家屋が集中する台北市青田街の住民運動による保存の事例を取り上げ、なぜ台湾の人々が日本統治期の建築を文化遺産として保護するようになったのか、そして台湾の人々は日本の植民地支配の遺構をどのように再解釈し新たな意味を付与しつつ保存してきたのかを検討した。戦後台湾は当初、国民党の一党支配下で文化政策も中国を中心とし台湾固有の歴史や文化は軽視されていた。この状況は1990年代以降の台湾の「台湾化」と民主化の動きを受けて大きく変わり、文化的にも多文化主義へと主流が移行したことに伴い文化遺産の内容も変化した。こうした動向の中で、具体的に日本統治期の木造家屋を文化遺産として保護する方向に動かしたのは、コミュニティの住環境や住民の集合記憶を重視し、自分たちの地区の特色として日本式木造家屋の重要性を認識した地域コミュニティの運動であった。青田街のレストラン「青田七六」の事例では、建物の外観は日本の植民地支配の歴史を示すようでありながら、展示や参観ツアーなどで建物内部で語られているのは戦後にこの家屋に住んだ馬延英の学問的業績とエピソードであり、戦後台湾の新しい歴史である。人々が文化遺産に与える意味付けは多様であり、青田街の日本式木造家屋も日本の植民地支配の記憶のみに還元されない多様な意味を担うことで保存対象となったことが示された。

 続く門間氏の報告は、1991年のクロアチア独立後、クロアチア民主同盟(HDZ)を中心とした歴史修正主義の動向において、第二次世界大戦期とクロアチア紛争時の大量殺戮に関する「記憶の場」がどのようにシンボル的な意義付けをされているかを分析した。このような「記憶の場」として、門間氏はウスタシャ政府によって設立・運営された強制収容所の集中するヤセノヴァツ、対してパルチザン軍がウスタシャ軍からの捕虜を大量処刑したとされる事件に関わるブライブルク、そして1991年のクロアチア紛争でユーゴスラヴィア軍に占領破壊されたヴコヴァルを取り上げた。そしてヤセノヴァツからブライブルクとヴコヴァルへ記念の焦点が移され、クロアチア人の犠牲者としての側面を強調することで、ヤセノヴァツ強制収容所での虐殺を相対化し、それがウスタシャ運動に対する寛容な態度にも結びついていることを指摘した。またこうした修正主義の台頭をもたらした要素として門間氏は、HDZがパルチザンによる殺害もユーゴスラヴィア軍の侵攻もいずれもクロアチア人を犠牲者とする「共産主義者の犯罪」として扱っており、これがナチズムとスターリニズムを全体主義として等値視する欧州連合の方針と矛盾しないことや、「下からの」ナショナリズムによってHDZの修正主義が正当化されていることも指摘した。

 これらの報告を受け、個々の報告後には短い質疑応答が行われ、最後に全体的な討論が行われた。複雑な歴史を持つ南ティロル/アルト=アディジェの社会を分断する複数の軸は具体的にどのようなものか、台湾社会は特に記憶の問題に関してどの程度どのように分断していると言えるのか、といった社会の分断と記憶の問題についての論点や、クロアチアの歴史修正主義においてユーゴスラヴィア時代はどのような役割を与えられているのか、という歴史修正主義の語りの対象と構造に関する問題、また取り上げられた文化遺産が国民、地域、共同体の間でどのような次元に位置づけられているのかに関する問題などが出され、極めて活発な議論が行われた。
佐藤公美(甲南大学)

2019.03.30
セミナー『東アジアにおける古代史と国民史』

2019年03月30日、セミナー『東アジアにおける古代史と国民史』は活況のうちに行われました。セミナーの内容は以下の通りです。

  • 場 所
  • 関西学院大学大阪梅田キャンパス1406教室(アプローズタワー14階)
  • 主 催
  • 「グローバル社会におけるデモクラシーと国民史・集合的記憶の機能に関する学際的研究」プロジェクト
  • 日 時
  • 2019年3月30日(土)午前11時〜午後5時頃
  • 講 演
  • 李成市(早稲田大学)
    ----「古代史にみる植民地主義と民族主義のアマルガム」
  • 報 告
  • 渡邊英幸(愛知教育大学)
    ----「華夏族の創生―中国古代史の中の中華民族論」
    橘 誠(下関市立大学)
    ----「モンゴル(人民共和)国におけるナショナル・ヒストリーの形成と変容」
  • コメント
  • 藤井 崇 ----「西洋古代史の観点から」
    橋本伸也 ----「「社会主義と歴史学」の観点から」

2019年3月30日、「東アジアにおける古代史と国民史」と題したセミナーが開催され、最初に東アジアの歴史を専門とする3人の講演・研究報告、それに対する西洋史研究者からのコメントの形で進められた。

李成市氏の講演「古代史にみる植民地主義と民族主義のアマルガム――何が植民地主義なのか」は戦後の韓国における朝鮮史研究が植民地主義の脱却を目指し、民族主義的な歴史学に大きく傾斜した状況を、その論争の渦中の当事者として論じた。韓国では戦前の日本人の研究やその系譜に連なる研究者を「植民地主義」と断じ、古代の『三国史記』や渤海国に対する実証研究でさえも民族の歴史への毀損とみる見方がある。これと軌を一にして原初主義的な議論が活発になり、「国民史」を求めて根拠に乏しい古代史研究が論じられることを批判した。いまだ冷戦構造を引きずる朝鮮半島では脱植民地主義は困難な面があり、一方で日本の古代史研究に内在する植民地史観と相まって「敵対的共犯関係」にある現状を示した。李氏はこれらの難題を克服するために一国史による批判の応酬ではなく「東アジア史」の枠組みによる研究を提唱する。

渡邉英幸氏の報告「華夏族の創生――中国古代史の中の中華民族論」は1980年代に費孝通によって提唱された「中華民族多元一体論」を考古学的に裏付ける「華夏族」論の現況と問題点を指摘した。中華民族の主体となる漢族の起源とされる華夏族は20世紀初めから議論されてきたが、多元一体論の出現を背景に、中原地域の民族が周囲の夷狄との同化・融合によって形成されたとの見解が示される。さらに「自在民族」と呼ばれる民族の起源が夏王朝の時期に置かれたり、「中国」や「夏」などの名号が原初的に多義性を有したことなど、近年の華夏族論の進展が紹介された。報告の史料篇では金文史料や先秦の文献に見える「中国」や「夏」の意識が時代を追って挙げられ、多元一体論から演繹された遡及的議論の盛行について注意深く見るべきことを述べた。

橘誠氏の報告「モンゴル(人民共和)国におけるナショナル・ヒストリーの形成と変容」では、1911年の清朝からの独立宣言以後、歴史編纂がいかなる過程で進められたか、その歴史書の内容の分析を通じて明らかにした。モンゴルでは長らく黄金氏族の歴史や仏教史が歴史記述の柱だったが、近代国家の成立とともに新たな「国民史」編纂が国家事業として実施された。1920~30年代に編纂された歴史書では、モンゴル古代史の材料として漢語の歴史書の満州語訳が用いられ、漢字の「胡」をモンゴル民族と解釈したため、古く匈奴の時代まで遡る「モンゴル史」が書かれたという経緯があった。また漢語文献に依拠した結果、キプチャク・ハン国など本来のモンゴル史に相当する事項は含まれない事態も起きた。その後ソ連による民族共和国史形成のなか、共和国領内で活動した民族集団の歴史に限定されたが、匈奴は歴史上モンゴルの祖先として定着したとする。

その後の討論において西洋史研究の立場からはギリシャ・ローマ世界の継承という古代史的な問題が現代の国際問題にもなる事例や、20世紀の社会主義が「国民国家」「国民史」を生み出した側面などが指摘された。東アジアにおける問題の特徴は圧倒的なパワーを持つ「中国」の存在といかに向き合うかである。近代に形成された国民国家の論理は、儒教的秩序に基づく近世的な「中外一家」の国家観とは大きく隔たっており、近代移行期に中国人自身が漢族を主体とする「国民史」の構築を模索したのと同時に、周辺地域でも儒教的秩序と「中国の歴史」からの脱却が図られた。その意味では近世の否定である。一方で近世の東アジアは「伝統社会」を形成した国民国家の揺籃期といえ、しばしば回帰すべき社会像と認識される。すなわち東アジアでは近世社会が「国民史」形成に深く根差しており、「近世東アジア」的なものの評価もまた、現代社会と強く連動した問題といえよう。
水越知(関西学院大学文学部)

2019.03.22
セミナー "History for Democracy in the Age of Populism" in Ghent

2019年03月22日、Ghent大学(ベルギー)でセミナー "History for Democracy in the Age of Populism" が行われました。セミナーの内容は以下の通りです。

  • 主 催
  • 「グローバル社会におけるデモクラシーと国民史・集合的記憶の機能に関する学際的研究」プロジェクト (NHCM)
  • 共 催
  • Department of History, Ghent University
  • 日 時
  • 2019年3月22日
  • 会 場
  • Campus Boekentoren, Faculteitszaal , Ghent University, Blandijnberg 2, 9000 Ghent, Belgium
  • 報 告
  • ●Nobuya Hashimoto
    ---Opening Remarks and explanation of the idea of "History for Democracy in the age of Populism"
    ●Antoon De Baets
    ---Democracy and Historical Writing
    ●Berber Beverage and Nico Wouters
    ---The Idea of State-Sponsored History
    ●Mirosław Filipowicz
    ---History and Memory Politics in Poland under PiS government
    ●Martí Grau Segú
    ---Public History and EU institutions

2019年3月22日にゲント大学(ベルギー)にて“History for Democracy in the Age of Populism”と題した国際ワークショップが開催され、日本および欧州からの研究者やゲント大学の博士課程の学生を含めて20名超が出席した。今回の催しは、来る8月31日、9月1日に関西学院大学で本プロジェクトの集大成として企画される同タイトルの国際会議の準備会合を兼ねたものでもある。まずプロジェクト代表を務める橋本伸也より「グローバル歴史・記憶研究プロジェクト」の概要紹介と趣旨説明が行われ、ヨーロッパとアジアで顕在化している歴史の政治利用を巡る経験を架橋しようとする問題提起が為された。続く各報告では、主に欧州の事例に即して現在の政治状況下における歴史研究の扱われ方が論じられた。

Antoon De Baets教授(フローニンゲン大学、オランダ)の報告では、デモクラシーと歴史学の関係について、歴史記述の営みが学問的手続きを踏まえることでデモクラシーを強化する役割を果たすことが出来ると主張された。Berber Bevernage准教授(ゲント大学)は編著であるThe Palgrave Handbook of State-Sponsored History After 1945の内容を紹介しつつ、 国家的プロジェクトとして歴史研究の生産されるメカニズムに対して、大学など研究機関が自律的な関係性を構築するための戦略的な視点を備えた方法論が提示された。Mirosław Filipowicz教授(ルブリン・カトリック大学、ポーランド)は自身が携わったポーランド・ロシアの国家間共同グループの活動が難航した過程を具体的に説明した。Martí Grau Segú氏(ジャン・モネ・ハウス館長、フランス)は博物館「欧州史の家」(House of European History)の学芸員であった経験を基に、冷戦後のヨーロッパの政治情勢を巡るナラティヴの変遷を踏まえてEUが取り組んでいるパブリック・ヒストリーの活動を紹介した。

ディスカッションでは日韓歴史共同研究など個別具体的な事象についても話が及んだが、特に議論の前提となる「ポピュリズム」と「デモクラシー」の関係について問い直された際に熱を帯びた。Carol Gluck教授(コロンビア大学)が、現在の歴史認識を巡る国家間の対立が事実の解釈よりもむしろいかなる個別事例を強調するかに起因していると述べた上で、統治技法としてのデモクラシーの限界に言及したことは示唆に富むものであった。さらに「デモクラシー」の多義性に話が及ぶと研究者間でも見解の相違が見られたが、この問題は記憶政治をグローバル・イシューとして取り扱う上で再考すべき重要な論点として共有されたと思われる。個人的に今般のワークショップでは欧州における議論の枠組みを把握することが出来たと共に、次回の会合に向けた有意義かつ濃密な時間となった。
(門間卓也)

2019.02.22
『創造された「故郷」----ケーニヒスベルクからカリーニングラードへ』が刊行されました。

本ブロジェクトの成果として、ユーリー・コスチャショーフ、橋本伸也・立石洋子訳『創造された「故郷----ケーニヒスベルクからカリーニングラードへ』が刊行されました。日本人読者のために書き下ろされたロシア語原稿を元にした日本語版オリジナルのカリーニングラード史で、かつてドイツの東プロイセンであった土地がソ連領と化し、さらにソ連の解体とともにロシア連邦の飛び地となった経緯をおいながら、そこに暮らした人びとの生活史を描き出しています。スターリン時代に主眼をおいた文書史料とオーラル・ヒストリーの成果を編み合わせた叙述からは、「歴史と記憶」の交錯するすぐれた事例を見いだすことが可能です。ぜひお手に取ってご覧ください。

2018.12.16
『せめぎあう中東欧・ロシアの歴史認識問題』『紛争化させられる過去』ダブル書評会

2018年12月16日、『せめぎあう中東欧・ロシアの歴史認識問題』と『紛争化させられる過去』のダブル合評会は、50名ほどのご参加を得て活況のうちに行われました。合評会の内容は以下の通りです。

  • 場 所
  • 京都大学人文科学研究所 本館4階大会議室
  • 主 催
  • 「グローバル社会におけるデモクラシーと国民史・集合的記憶の機能に関する学際的研究」プロジェクト
    京都歴史学工房
    ドイツ現代史研究会
  • 評 者
  • 河合竜太(同志社大学大学院)
    「19世紀末から20世紀前半のドイツ・シオニストの集合的な記憶――二冊の本から考えたこと」

    大津留厚(神戸大学名誉教授)
    「書評『せめぎあう中東欧・ロシアの歴史認識問題』」

    朴 沙羅(神戸大学講師)
    「書評『紛争化させられる過去』」